脊柱管狭窄症では、どんな運動から始めればいいの?

前回の記事では、

「脊柱管狭窄症だからといって、ずっと安静にしていればいいわけではない」

というお話をしました。

では、実際に身体を動かすとしたら、

「何をすればいいの?」

「歩いた方がいい?」

「筋トレをした方がいい?」

と迷いますよね。

ここで大切なのは、いきなりたくさん運動することではありません。

まずは今の身体の状態を確認しながら、無理なくできる動きから始めることが大切です。

脊柱管狭窄症だから、この運動。ではありません

脊柱管狭窄症と診断されていても、身体の状態は一人ひとり違います。

例えば、

  • 股関節がうまく動かない
  • 身体を支える力が弱くなっている
  • 片脚になると身体が大きくふらつく
  • 腰を必要以上に反らせて動いている
  • 長く歩くこと自体が難しくなっている

など、同じ診断名でも実際に起きていることは様々です。

だからこそ、

「脊柱管狭窄症にはこの体操を10回」

と一律に決めるのではなく、まずはその人がどう身体を使っているのかを見ることが重要だと当院では考えています。

まずは「身体を支える」ことから

痛みやしびれが続いている方は、運動量が減っていることも少なくありません。

すると、身体を支えるための力も少しずつ低下していきます。

そこで最初から強い筋トレをするのではなく、

「自分の身体を無理なく支えられる」

ところから始めていきます。

座った姿勢や寝た姿勢など、その方が安心してできる姿勢から身体を動かしていくこともあります。

股関節を動かせるようにする

歩くためには、腰だけではなく股関節がしっかり動くことも大切です。

股関節がうまく使えないと、本来股関節が担当するはずの動きを腰が代わりに行ってしまうことがあります。

そのため、

  • 股関節を曲げる
  • お尻を使う
  • 腰だけで動かない

といった基本的な動きを練習していきます。

大切なのは「大きく動かすこと」ではなく、腰に無理をかけずに股関節を使えることです。

片脚で身体を支える練習

歩いているとき、人は必ず一瞬、片脚で身体を支えています。

ところが、片脚で身体を支える力が弱くなると、身体が左右に揺れたり、歩幅が小さくなったり、別の場所で無理にバランスを取ったりすることがあります。

そのため状態を見ながら、

「片脚でも身体を支えられるか」

ということも確認していきます。

いきなり片脚立ちを長時間する必要はありません。

手で支えながらでも構いませんので、安全な範囲から少しずつ練習します。

歩くなら「長く」より「無理なく」

「歩いた方がいいなら、毎日30分歩こう」

と頑張りすぎる必要はありません。

例えば長く歩くと症状が強くなる方なら、

短い時間歩く → 休む → また歩く

という方法でも構いません。

5分なら大丈夫なのか。

10分なら大丈夫なのか。

まずは自分が無理なく動ける量を知ること。

そして、その範囲を少しずつ広げていくことが大切です。

運動は「何をするか」だけではありません

同じスクワットをしていても、

腰を大きく反らせている人と、股関節を上手に使えている人では、身体への負担は違います。

同じウォーキングでも、

身体を大きく左右に揺らして歩く人と、安定して歩ける人では違います。

つまり重要なのは、

「何の運動をするか」だけではなく、「どう動いているか」。

当院でも、運動の回数だけを見るのではなく、姿勢・歩き方・股関節の動き・身体を支える力などを確認しながら、その方に必要な運動を考えていきます。

「できること」から始めれば大丈夫です

脊柱管狭窄症と診断されると、

「運動したら悪化するのでは?」

と怖くなってしまう方もいらっしゃいます。

しかし、だからといって身体をまったく動かさなくなると、筋力や体力が落ち、さらに動くことが大変になってしまう場合もあります。

大切なのは、

無理をすることでも、ずっと休むことでもありません。

今の身体でできることを見つけて、少しずつ「動ける身体」を取り戻していくことです。

「また自分の足で歩きたい」

そのために、まずは今の身体の状態を知るところから始めてみましょう。

次回は

「脊柱管狭窄症で歩くために、なぜ“股関節”が大切なの?」

について、もう少し詳しくお話しします。

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